【リライト】声

2008年04月13日 01:12

 中間試験初日を終え、早々と家に帰り、昼食を摂ってすぐに仮眠した。

「あははははははははは!」

 引き裂くような甲高い、女のヒステリックな笑い声が耳元で炸裂した。
 その息が耳にあたる。
 体はおろか、閉じた瞼すら動かす事が出来ない。
 間断なく繰り返される笑い声に溜まらず、怒鳴り声を上げると、体の自由が戻った。
 恐る恐る瞼を開けたが、誰もいなかった。


 中間試験の最終日、同じように早々と帰宅し、テストでくたびれていた為、ベッドに倒れ込むと眠ってしまった。

「ぅー……ぅー……」

 微かに、男の唸り声のようなものが聞こえてくる。
 不意に数日前の事を思い出した。
 今回も、やはり動く事が出来ない。
 声は徐々に大きくなっていく。

「うー……うー……」

 長い間、その唸り声が続き、やがて消えた。
 体の自由が戻ると、ふとある事に気づいた。
 二度の声はどちらも、部屋の右側から聞こえてきた。
 右側には、兄の部屋がある。

 その事は、今でも兄に言い出せずにいる。

(超-1 2008/「声」より)


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