2008年04月14日 01:33
誰かが乗っている。
竹村さんは、体にのし掛かる重みに目を覚ました。
室内には自分ひとりだけのはず。
のしかかる黒い影が、顔を近づけてくる。
彼女は顔をそらし、影を押しのけようとした。
あれ?
この肌触り、頬から顎にかけてのライン。
それは、彼女が付き合っている彼氏のものと全く同じだった。
「ちょ……やめて……」
執拗に顔を押しつけてくる彼を、彼女は何度も引きはがそうとした。
しばらく攻防が続き、あきらめたのか、急に彼の力が抜けた。
彼はベッドから離れると、背を向けて玄関へ走っていく。
ニットのセーターにアルマーニのジーンズ、いつもの彼の後ろ姿。
それが、玄関の手前で消えた。
疲れと睡魔に負けた彼女は、その後ろ姿を見届けると目を閉じた。
翌日になり、昨晩の事を振り返ってみた。
彼には合い鍵を渡しており、互いの家を行き来している。
昨日は久しぶりに一人で寝たかったので、彼を置いて自分の部屋に戻ってきていた。
寂しくて、忍び込んだのかな。
そう思いながら出掛けようとして、玄関へやって来た。
ドアチェーンはしっかりかかったままだった。
「ゆうべ来たでしょ?」
その日、竹村さんは彼に聞いてみた。
「いやぁ、憶えてないなぁ」
と答える彼は、何故かやたらと照れくさそうだった。
(超-1 2008/「独り寝」より)
竹村さんは、体にのし掛かる重みに目を覚ました。
室内には自分ひとりだけのはず。
のしかかる黒い影が、顔を近づけてくる。
彼女は顔をそらし、影を押しのけようとした。
あれ?
この肌触り、頬から顎にかけてのライン。
それは、彼女が付き合っている彼氏のものと全く同じだった。
「ちょ……やめて……」
執拗に顔を押しつけてくる彼を、彼女は何度も引きはがそうとした。
しばらく攻防が続き、あきらめたのか、急に彼の力が抜けた。
彼はベッドから離れると、背を向けて玄関へ走っていく。
ニットのセーターにアルマーニのジーンズ、いつもの彼の後ろ姿。
それが、玄関の手前で消えた。
疲れと睡魔に負けた彼女は、その後ろ姿を見届けると目を閉じた。
翌日になり、昨晩の事を振り返ってみた。
彼には合い鍵を渡しており、互いの家を行き来している。
昨日は久しぶりに一人で寝たかったので、彼を置いて自分の部屋に戻ってきていた。
寂しくて、忍び込んだのかな。
そう思いながら出掛けようとして、玄関へやって来た。
ドアチェーンはしっかりかかったままだった。
「ゆうべ来たでしょ?」
その日、竹村さんは彼に聞いてみた。
「いやぁ、憶えてないなぁ」
と答える彼は、何故かやたらと照れくさそうだった。
(超-1 2008/「独り寝」より)






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