2008年04月18日 23:26
「うちの婆さん、除霊をしたことがあるんだぞ」
千原さんは得意げな笑みを浮かべながら、こんな話をしてくれた。
千原さんの祖母、菊子さんの家にある日、従姉の佳枝さんがやってきた。
二人が以前に会ってから十日ほどしか経っていないのに、佳枝さんはげっそりとやつれている。
「うちに、幽霊が出る」
佳枝さんは元気のない声でそう言った。
彼女が寝室で寝ていると、廊下の向こうから音がする。
具足を擦り鳴らすような、規則的な金属音。
その音は、寝室の前で止まる。
襖に隔たれてその姿は見えない。
しかし、彼女の脳裏には、はっきりと鎧をまとった武者の姿が思い浮かぶ。
恐る恐る襖を開けるが、人の姿はない。
一週間近く、それは続いているという。
彼女に泣きつかれ、菊子さんは彼女の家に泊まることになった。
その夜、二人が寝室で横になっていると、廊下の向こうから足音が聞こえてきた。
菊子さんは静かに立ち上がり、襖の前で息を殺した。
そして、足音が襖の前に来る、まさにその瞬間。
「わっ!」
菊子さんは襖を勢いよく開け、大声を出した。
がっしゃーん!
大きな音がした。
菊子さんにもその姿は見えなかったが、どうやら、鎧武者が尻餅をついたらしい。
「翌日から、鎧武者は出なくなったってさ。
そりゃ、女に驚かされて腰を抜かしたなんて、武士のプライドが許さないだろ」
その一件以来、菊子さんは親族一同から一目置かれるようになった。
そして、その武勇伝は今でもこうして語り継がれている。
(超-1 2008/「除霊」より)
千原さんは得意げな笑みを浮かべながら、こんな話をしてくれた。
千原さんの祖母、菊子さんの家にある日、従姉の佳枝さんがやってきた。
二人が以前に会ってから十日ほどしか経っていないのに、佳枝さんはげっそりとやつれている。
「うちに、幽霊が出る」
佳枝さんは元気のない声でそう言った。
彼女が寝室で寝ていると、廊下の向こうから音がする。
具足を擦り鳴らすような、規則的な金属音。
その音は、寝室の前で止まる。
襖に隔たれてその姿は見えない。
しかし、彼女の脳裏には、はっきりと鎧をまとった武者の姿が思い浮かぶ。
恐る恐る襖を開けるが、人の姿はない。
一週間近く、それは続いているという。
彼女に泣きつかれ、菊子さんは彼女の家に泊まることになった。
その夜、二人が寝室で横になっていると、廊下の向こうから足音が聞こえてきた。
菊子さんは静かに立ち上がり、襖の前で息を殺した。
そして、足音が襖の前に来る、まさにその瞬間。
「わっ!」
菊子さんは襖を勢いよく開け、大声を出した。
がっしゃーん!
大きな音がした。
菊子さんにもその姿は見えなかったが、どうやら、鎧武者が尻餅をついたらしい。
「翌日から、鎧武者は出なくなったってさ。
そりゃ、女に驚かされて腰を抜かしたなんて、武士のプライドが許さないだろ」
その一件以来、菊子さんは親族一同から一目置かれるようになった。
そして、その武勇伝は今でもこうして語り継がれている。
(超-1 2008/「除霊」より)






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