【リライト】突然すぎて

2008年04月18日 23:43

 授業が終わるとまっすぐ帰宅し、横になりながらテレビを見ていた。
 そのうち、いつの間にか眠ってしまったらしい。

「沙希ちゃん……沙希ちゃん、起きや」
 懐かしい声がし、肩を揺する手の温かさを感じた。
 目を開けると、お爺ちゃんが横に座り、優しい笑顔で私を見下ろしている。
 その時、ドアのベルが鳴った。
 慌てて玄関に向かってから、はっとある事に気づいた。
 応対を終え室内に戻ると、そこにはもう、お爺ちゃんの姿はなかった。

 お爺ちゃんは、七年も前に亡くなっている。
 気付くのが遅かった。玄関に行かなければ良かった。
 話したいことは、いっぱいあったのに。

(超-1 2008/「突然すぎて」より)


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