【リライト】窓の外から

2008年04月21日 03:37

 津田さんは小学二年生の頃、一人で二段ベッドの上段で寝ていた。
 いつも下段に寝ている四つ上の姉は、修学旅行の為にいなかった。

 夜中、鈴の音で目を覚ました。
 近所の猫の首輪でも鳴っているのだろうか。
 気にせず寝直そうとしたが、その音が窓のすぐそばで鳴っているらしいことに気付いた。
 気付いてしまうと落ち着かず、彼女はベッドを降りて窓に近づいた。
 すると、窓の外に人影が見えた。
 どうやら、彼女と同じくらいの年頃の子供らしい。

 その子供が、窓にへばりつくようにして立っている。

 津田さんは怖くなり、気付かれないように後退り、静かに梯子を登るとベッドの中に潜り込んだ。
 窓に背を向けるようにして横になると、布団を被る。
 気付くと、あの鈴の音が止んでいる。
 静寂に耐えきれなくなり、彼女は窓の方に顔を向けた。

 あの子供がいた。
 部屋の中に。

 暗闇に赤いスカートが浮かび上がる。
 おかっぱ頭が月明かりに照らされている。
 無表情な顔で、津田さんを見上げている。

 津田さんは、子供に背を向けると布団を被り、早く消えてくれるよう祈った。

 いつの間にか眠っていたらしい。
 彼女が目を覚ますと、すでに朝になっていた。
 室内に、あの子供の姿はなかった。

(超-1 2008/「窓の外から」より)


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