2008年04月21日 03:47
ヒロシはいつも遊ぶ仲間二人と、郊外のカラオケボックスに行った。
派手な外観とは対照的な寂れた店内には、他の客の歌声は全く聞こえない。
気にせず三人は歌いまくり、疲れて一休みした。
すると、彼らの部屋の前を、きゃーきゃー騒ぎながら四人の女が通り過ぎていくのが、すりガラス越しに確認出来た。
四人はどうも隣の部屋に入ったらしく、賑やかなおしゃべりが隣室から聞こえてくる。
「ナンパしようぜ」
ヒロシが言ったが、他の二人は乗り気ではなかった。
「何だよお前ら……。
よし、俺が一人で行ってくる。うまいこといったら、お前らもうまく合わせろよ」
頷く二人に背を向けると、彼は部屋を後にした。
二人が聞き耳を立てていると、隣室が静かになった。
どうやら突撃したらしい。間もなく、
「だっせぇ、何今の男。きゃはははは」
めいっぱいバカにした、女の笑い声が聞こえた。
どうやら玉砕したらしい。
間もなく、浮かない表情のヒロシが返ってきて、席に座った。
「まぁまぁ、うまくいかないこともあるさ」
「なんだよここ……」
仲間の励ましも耳に届いていないのか、彼の様子がおかしい。
「どうした?」
「隣、誰も客がいなかった。
隣だけじゃない。他の部屋も、ぜんぶ客なんていなかった」
その時には、隣室の騒がしい声も聞こえなくなっていた。
(超-1 2008/「カラオケ」より)
派手な外観とは対照的な寂れた店内には、他の客の歌声は全く聞こえない。
気にせず三人は歌いまくり、疲れて一休みした。
すると、彼らの部屋の前を、きゃーきゃー騒ぎながら四人の女が通り過ぎていくのが、すりガラス越しに確認出来た。
四人はどうも隣の部屋に入ったらしく、賑やかなおしゃべりが隣室から聞こえてくる。
「ナンパしようぜ」
ヒロシが言ったが、他の二人は乗り気ではなかった。
「何だよお前ら……。
よし、俺が一人で行ってくる。うまいこといったら、お前らもうまく合わせろよ」
頷く二人に背を向けると、彼は部屋を後にした。
二人が聞き耳を立てていると、隣室が静かになった。
どうやら突撃したらしい。間もなく、
「だっせぇ、何今の男。きゃはははは」
めいっぱいバカにした、女の笑い声が聞こえた。
どうやら玉砕したらしい。
間もなく、浮かない表情のヒロシが返ってきて、席に座った。
「まぁまぁ、うまくいかないこともあるさ」
「なんだよここ……」
仲間の励ましも耳に届いていないのか、彼の様子がおかしい。
「どうした?」
「隣、誰も客がいなかった。
隣だけじゃない。他の部屋も、ぜんぶ客なんていなかった」
その時には、隣室の騒がしい声も聞こえなくなっていた。
(超-1 2008/「カラオケ」より)






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