2008年04月21日 04:16
会社員の佐山さんの趣味はゴルフ。
もちろんコースを回るのも楽しいのだが、打ちっ放しでひたすら汗を流すのも好きだった。
「特に夏のナイターね。いい汗かいてその後のビールは最高だろ」
近所の練習所で、夏の夜空の下、照明に浮かび上がるボールをひたすら打ち込む。
時間と体力の許す限り、彼は足繁く通っていた。
その夜もいつものように汗を流していると、何かが練習場の空に浮遊しているのが見えた。
ひらひらと翼のようなモノをはためかせて漂うそれは、コウモリのように見えた。
ふと彼は、それを的にしようと思った。
当たるわけはないだろうと思い、打ち込んでみた。
すると、ボールがうまい具合にコウモリのそばをかすめた。
「あー、惜しい!」
と思ったのもつかの間、それは動きを止め、ゆっくりと向きを変えた。
コウモリと思っていたのは、落ち武者の生首だった。
切り落とされた頭髪をはためかせ、目を血走らせながら、辺りを見回していた。
さっきのボールを打った犯人、つまり自分を探している。
彼は焦り、動けなくなった。
と、その時。
誰かが打ったボールが生首に命中した。
その瞬間、風船がはじけるかのように、生首は消えた。
ボールは何事もなかったかのように飛距離を伸ばし、視界から消えた。
(超-1 2008/「夜空に」より)
もちろんコースを回るのも楽しいのだが、打ちっ放しでひたすら汗を流すのも好きだった。
「特に夏のナイターね。いい汗かいてその後のビールは最高だろ」
近所の練習所で、夏の夜空の下、照明に浮かび上がるボールをひたすら打ち込む。
時間と体力の許す限り、彼は足繁く通っていた。
その夜もいつものように汗を流していると、何かが練習場の空に浮遊しているのが見えた。
ひらひらと翼のようなモノをはためかせて漂うそれは、コウモリのように見えた。
ふと彼は、それを的にしようと思った。
当たるわけはないだろうと思い、打ち込んでみた。
すると、ボールがうまい具合にコウモリのそばをかすめた。
「あー、惜しい!」
と思ったのもつかの間、それは動きを止め、ゆっくりと向きを変えた。
コウモリと思っていたのは、落ち武者の生首だった。
切り落とされた頭髪をはためかせ、目を血走らせながら、辺りを見回していた。
さっきのボールを打った犯人、つまり自分を探している。
彼は焦り、動けなくなった。
と、その時。
誰かが打ったボールが生首に命中した。
その瞬間、風船がはじけるかのように、生首は消えた。
ボールは何事もなかったかのように飛距離を伸ばし、視界から消えた。
(超-1 2008/「夜空に」より)




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