2008年04月22日 23:41
秋川さんは大手ゼネコンで施工管理の仕事をしている。
彼はその日、ニュータウンの高層マンション建築現場で、風を通す為に開けてあった窓を閉めて回っていた。
電気が通っていない為、エレベーターを使うことが出来ない。
ワンフロア中の窓を閉め、階段で次の階へと上がり、またフロア中の窓を閉める。
ようやく最上階に着き、窓を閉めていると。
「上だよ」
小さな男の子の声が、彼の頭上から聞こえた。
頭上を見回すが、子供の姿はない。
「もっと上だよ、上」
声はまだ続いている。
秋川さんがいるのは最上階。それより上には、何もない。
「もっと上だよ、上、上、上!」
声は強く大きくなり、フロア中に響き渡る大音響になった。
彼は激しい目眩と体のしびれを感じた。
このままでは呼ばれてしまう。
秋川さんは開いた窓にかまわず、階段を駆け下りた。
「きっと、もっと上においでよ、と呼んでいたんですよ。
あの時、あのまま呼ばれていたらと思うと……」
そう語る彼の顔は青ざめていた。
(超-1 2008/「上だよ」より)
彼はその日、ニュータウンの高層マンション建築現場で、風を通す為に開けてあった窓を閉めて回っていた。
電気が通っていない為、エレベーターを使うことが出来ない。
ワンフロア中の窓を閉め、階段で次の階へと上がり、またフロア中の窓を閉める。
ようやく最上階に着き、窓を閉めていると。
「上だよ」
小さな男の子の声が、彼の頭上から聞こえた。
頭上を見回すが、子供の姿はない。
「もっと上だよ、上」
声はまだ続いている。
秋川さんがいるのは最上階。それより上には、何もない。
「もっと上だよ、上、上、上!」
声は強く大きくなり、フロア中に響き渡る大音響になった。
彼は激しい目眩と体のしびれを感じた。
このままでは呼ばれてしまう。
秋川さんは開いた窓にかまわず、階段を駆け下りた。
「きっと、もっと上においでよ、と呼んでいたんですよ。
あの時、あのまま呼ばれていたらと思うと……」
そう語る彼の顔は青ざめていた。
(超-1 2008/「上だよ」より)




コメント
コメントの投稿