【リライト】塀の上

2008年03月31日 00:30

 やっぱり今日も、いる。
 その老婆はいつもと変わらず、こちらを鬼の形相で睨みつけてくる。
 白髪を振り乱し、民家の塀の上に鎮座するその姿は、晒し首のようだ。
 血走った眼は、今にも呪い殺さんとばかりに私を貫く。
 この道を使い始めてからずっと、その首は塀の上にある。
 通るたび、睨まれる。
 雨の日も、風の日も、首はそこにある。

 ある日、その家の前を通ると、「忌中」の紙が貼られていた。
 その塀の上からは、あの老婆がいつもと変わらず、私を睨みつけてきた。

 今でも、まだそこに首があり、睨みつけてくる。

(超-1 2008/「塀の上」より)


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