2008年04月22日 23:52
電車が駅に着くと、向田君はトイレに駆け込んだ。
用を済ませ、洗面台で手を洗う。
顔を上げると、彼の後ろに人の姿がある。
清潔感のあるスーツ姿で、髪きっちりと分け、眼鏡を掛けた三十代くらいの男性。
(隣の洗面台を使えばいいのに……)
そう思いながら振り返ると、誰もいない。
彼はその場から脱兎のごとく逃げ出した。
後日その時のことを思い返してみても、服の特徴などははっきりと憶えているのだが、その顔だけがぼんやりとして思い出せなかった。
(超-1 2008/「後ろの正面」より)
用を済ませ、洗面台で手を洗う。
顔を上げると、彼の後ろに人の姿がある。
清潔感のあるスーツ姿で、髪きっちりと分け、眼鏡を掛けた三十代くらいの男性。
(隣の洗面台を使えばいいのに……)
そう思いながら振り返ると、誰もいない。
彼はその場から脱兎のごとく逃げ出した。
後日その時のことを思い返してみても、服の特徴などははっきりと憶えているのだが、その顔だけがぼんやりとして思い出せなかった。
(超-1 2008/「後ろの正面」より)






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