2008年04月23日 23:14
母方の祖父の三回忌を終え、居間でお茶を飲んでくつろいでいた。
久しぶりに集まった親族達は、祖父の話で盛り上がった。
「一番大変だったのはお母さんじゃない? お父さんは縦の物も横にしない人だったし」
「足悪くしてからは特にね」
祖父は絵に描いたような九州男児で亭主関白、子供に厳しい頑固親父だった。
そんな祖父に関するエピソードに花を咲かせていると、玄関の引き戸が大きな音を立てて開いた。
耳を澄ませると、玄関から居間へ続く廊下を、誰かが歩いてくる。
ぎぃ……ぎしっ。
足を引きずるような音が、襖の前で止まった。
次の瞬間、襖がばしっと勢いよく開かれる。
廊下には、誰の姿も見えない。
みし……みしみしっ。
畳を踏みしめる音が、居間を通り抜けて縁側まで続く。
そして今度は、縁側のサッシが勢いよく開かれた。
突然の出来事に、みんなが言葉を失っていると、それまで黙っていた祖母が立ち上がった。
「開けたら開けっ放し。死んでからも、まこて世話が焼けるもんじゃが」
祖母は溜息をつきながら、玄関、襖、そしてサッシを締めてまわった。
(超-1 2008/「開けたら」より)
久しぶりに集まった親族達は、祖父の話で盛り上がった。
「一番大変だったのはお母さんじゃない? お父さんは縦の物も横にしない人だったし」
「足悪くしてからは特にね」
祖父は絵に描いたような九州男児で亭主関白、子供に厳しい頑固親父だった。
そんな祖父に関するエピソードに花を咲かせていると、玄関の引き戸が大きな音を立てて開いた。
耳を澄ませると、玄関から居間へ続く廊下を、誰かが歩いてくる。
ぎぃ……ぎしっ。
足を引きずるような音が、襖の前で止まった。
次の瞬間、襖がばしっと勢いよく開かれる。
廊下には、誰の姿も見えない。
みし……みしみしっ。
畳を踏みしめる音が、居間を通り抜けて縁側まで続く。
そして今度は、縁側のサッシが勢いよく開かれた。
突然の出来事に、みんなが言葉を失っていると、それまで黙っていた祖母が立ち上がった。
「開けたら開けっ放し。死んでからも、まこて世話が焼けるもんじゃが」
祖母は溜息をつきながら、玄関、襖、そしてサッシを締めてまわった。
(超-1 2008/「開けたら」より)






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