2008年04月24日 23:26
ぱたぱたという足音に、滝野さんは目を覚ました。
六人部屋の病室の入り口に近いベッド、カーテンを閉めたその中で彼は耳をそばだてた。
その足音は部屋の出入り口のあたりを歩き回っているようだ。
カーテンの裾から様子を伺うと、出入り口の前を忙しそうに動き回る、ナースシューズと白いストッキングを履いた足が見えた。
うろうろするだけで中に入ってくるでもないその姿が気になりながらも、彼は再び眠りについた。
それからもたびたび、ぱたぱたという足音とその足を見かけることがあった。
共通しているのは、右往左往するだけということ、そしてカーテンを閉めている時だけ見かけるということだった。
ある夜、滝野さんはふと目を覚ました。
カーテンの裾から出入り口の方を見ると、消灯後は閉められているはずの扉が開き、その向こうにあの足が見えた。
しかしいつもと違い、足は動かずにじっと立っている。
その違和感に彼は寒気を憶えた。
それを察したかのように、足は一歩、彼のいる部屋に向かって踏み出した。
彼はすかさずカーテンを掴み、引き開けた。
誰もいない廊下が、常夜灯に照らされているだけだった。
それから彼は退院するまで、カーテンを完全には閉め切らず、出入り口が見えるように少しだけ開けるようにした。
そうしていると、あの足は出なくなったのだという。
(超-1 2008/「入って来られない?」より)
六人部屋の病室の入り口に近いベッド、カーテンを閉めたその中で彼は耳をそばだてた。
その足音は部屋の出入り口のあたりを歩き回っているようだ。
カーテンの裾から様子を伺うと、出入り口の前を忙しそうに動き回る、ナースシューズと白いストッキングを履いた足が見えた。
うろうろするだけで中に入ってくるでもないその姿が気になりながらも、彼は再び眠りについた。
それからもたびたび、ぱたぱたという足音とその足を見かけることがあった。
共通しているのは、右往左往するだけということ、そしてカーテンを閉めている時だけ見かけるということだった。
ある夜、滝野さんはふと目を覚ました。
カーテンの裾から出入り口の方を見ると、消灯後は閉められているはずの扉が開き、その向こうにあの足が見えた。
しかしいつもと違い、足は動かずにじっと立っている。
その違和感に彼は寒気を憶えた。
それを察したかのように、足は一歩、彼のいる部屋に向かって踏み出した。
彼はすかさずカーテンを掴み、引き開けた。
誰もいない廊下が、常夜灯に照らされているだけだった。
それから彼は退院するまで、カーテンを完全には閉め切らず、出入り口が見えるように少しだけ開けるようにした。
そうしていると、あの足は出なくなったのだという。
(超-1 2008/「入って来られない?」より)




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