2008年04月28日 23:58
授業中、すぐ耳元で名前を呼ぶ声がして振り返った。
後ろの席では、級友がまじめに黒板の文面をノートに書き写している。
「どうした?」
彼女に声を掛けると、
「はい?」
ととぼけた声で答え、顔を上げた。
「今、呼んだだろ、ブクロって」
「は? 呼んでないよ」
「顔を近づけて耳元で呼んだだろ。私の後ろにお前以外の誰がいるっての。
それに、私をブクロって呼ぶのはお前だけだろ」
と言いながら、ふと気付いた。
彼女の机と私の机の距離。
ちょっと腰を上げて体を伸ばす程度では、私の耳元にまで顔を近づけることは出来ない。
その時。
「ブクロ」
すぐ耳元で、二十代くらいの女の声が、私の名を呼んだ。
「ご、ごめん、勘違いだった」
私は無罪を主張していた友人から視線をそらし、黒板に向き直った。
(超-1 2008/「ブクロ」より)
後ろの席では、級友がまじめに黒板の文面をノートに書き写している。
「どうした?」
彼女に声を掛けると、
「はい?」
ととぼけた声で答え、顔を上げた。
「今、呼んだだろ、ブクロって」
「は? 呼んでないよ」
「顔を近づけて耳元で呼んだだろ。私の後ろにお前以外の誰がいるっての。
それに、私をブクロって呼ぶのはお前だけだろ」
と言いながら、ふと気付いた。
彼女の机と私の机の距離。
ちょっと腰を上げて体を伸ばす程度では、私の耳元にまで顔を近づけることは出来ない。
その時。
「ブクロ」
すぐ耳元で、二十代くらいの女の声が、私の名を呼んだ。
「ご、ごめん、勘違いだった」
私は無罪を主張していた友人から視線をそらし、黒板に向き直った。
(超-1 2008/「ブクロ」より)






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