2008年04月29日 00:04
篠崎さんは派遣の仕事をしている。
ある日彼は、仕事の合間に派遣会社の営業担当の携帯電話に連絡を入れた。
何度か呼び出し音が鳴ると、電話が繋がった。
その途端、男の喚き声と犬が酷く吠える声が聞こえ、ブツッと切れた。
掛け間違えたのかと思ったのだが、アドレス帳に登録している、これまで何度もやりとりをしている番号に間違いない。
彼は訝しがりながら、もう一度電話を掛けた。
何度か呼び出し音が鳴ると、電話が繋がった。
その途端、太鼓のような低く響く音がリズムを刻む中、誰かが低い声でブツブツと呟く声が聞こえ、またブツッと切れた。
仕方なく仕事に戻り、しばらく時間を空けてから、三度電話を掛け直した。
何度か呼び出し音が鳴ると、電話が繋がった。
「もしもし」
担当の声だった。
ほっとして用件を伝えようとした時、
「あーっ!」
という男の叫び声が聞こえ、ブツッと切れた。
呆然としていると、営業担当から電話がかかってきた。
「もしもし。いやすいません、途中で切れまして」
何事もなかったかのように、いつもの口調で言われた。
「大丈夫ですか? 今、何か叫び声がしましたけど」
「え? 叫び声、ですか? いえ、こっちは別に……。
いやすいません、この電話、時々変なんですよねぇ。会社から支給されてる電話なんですけどね。すいません」
それから数日後、営業担当から電話が入った。
「いやすいません。前の携帯電話が壊れましてね、電話番号が変わりました。
今掛けているこの番号なので、登録の方、お願いしますね」
壊れた理由は定かではない。
(超-1 2008/「繋がった先は」より)
ある日彼は、仕事の合間に派遣会社の営業担当の携帯電話に連絡を入れた。
何度か呼び出し音が鳴ると、電話が繋がった。
その途端、男の喚き声と犬が酷く吠える声が聞こえ、ブツッと切れた。
掛け間違えたのかと思ったのだが、アドレス帳に登録している、これまで何度もやりとりをしている番号に間違いない。
彼は訝しがりながら、もう一度電話を掛けた。
何度か呼び出し音が鳴ると、電話が繋がった。
その途端、太鼓のような低く響く音がリズムを刻む中、誰かが低い声でブツブツと呟く声が聞こえ、またブツッと切れた。
仕方なく仕事に戻り、しばらく時間を空けてから、三度電話を掛け直した。
何度か呼び出し音が鳴ると、電話が繋がった。
「もしもし」
担当の声だった。
ほっとして用件を伝えようとした時、
「あーっ!」
という男の叫び声が聞こえ、ブツッと切れた。
呆然としていると、営業担当から電話がかかってきた。
「もしもし。いやすいません、途中で切れまして」
何事もなかったかのように、いつもの口調で言われた。
「大丈夫ですか? 今、何か叫び声がしましたけど」
「え? 叫び声、ですか? いえ、こっちは別に……。
いやすいません、この電話、時々変なんですよねぇ。会社から支給されてる電話なんですけどね。すいません」
それから数日後、営業担当から電話が入った。
「いやすいません。前の携帯電話が壊れましてね、電話番号が変わりました。
今掛けているこの番号なので、登録の方、お願いしますね」
壊れた理由は定かではない。
(超-1 2008/「繋がった先は」より)




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