【リライト】どすんっ!

2008年04月06日 04:23

 友人宅で一泊した中村さんは、翌朝、友人よりも早く目が覚めた。
 その友人はベッドの上で、正体なく眠りこけている。
 いつもは遅寝早起きなのに、珍しい事もあるんだな。
 友人の幸せそうな寝顔を見ながら、トイレに向かおうと背を向けた瞬間。

 どすんっ!

 背後で何かが落ちたような、大きな音がした。
 友人がベッドから落ちたのかと思い、振り返った。
 しかし、友人はベッドの上でさっきと変わらぬ姿勢で横になっている。
 だが、眠ってはおらず、苦痛に顔をゆがめていた。
「今お前、ベッドから落ちなかったか?」
「落ちたけど落ちなかったんだよ」
 と言いながら苦しげに上体を起こした友人に、中村さんは頭をひねった。

 彼は、中村さんが起きた時には、もう目を覚ましていたらしい。
 だが、体が酷く重く感じて動けなかった。
 仕方なくそのままの体制でいると、何者かに腕を掴まれ、そのまま強く引っ張られ、ベッドから落ちた。
 と思った。が、気づけばベッドの上。
 上体を起こし、したたか打ち付けた背中をさする。
 何かがおかしい。
 ベッドを見ると、そこには自分が寝ていた。
 その時、中村さんに声をかけられたのだという。

 半信半疑の中村さんだったが、彼の背中に出来た痣を見せられては、納得するしかなかった。

(超-1 2008/「どすんっ!」より)


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