【リライト】夜のドナタ

2008年04月07日 23:28

 深夜に尿意を覚え、トイレを済ませた帰り道。
 母の寝室から、苦しげな声が漏れ聞こえてきた。
 その声が尋常ではないので部屋の中に飛び込むと、布団の中で上半身を起こした母が、胸を押さえて苦しんでいる。
 ようやく落ち着きを取り戻した母が口を開いた。

 彼女は息苦しさに目を覚ました。
 見ると、彼女の体の上に何者かがのし掛かり、彼女の腕を掴んで動けないようにしていた。
 必死に振りほどこうとするが、微動だにしない。
 その何者かは、虚ろな目で彼女を見据えている。
 体が押しつぶされ、息が出来ない。
 助けを呼ぼうとしたが、かすかに呻き声が出せる程度だった。
 その声を聞いた私が飛び込んだ時、その何者かの姿は消えた。

「韓流ドラマに出てくるような男前なら良かったんだけど、あんな不細工な小太り中年はちょっとねぇ」
 そう言う問題じゃないでしょうに。

(超-1 2008/「母の霊体験」より改題)

※せんべい猫より
 このお話の原題は「母の霊体験」という題名でしたが、ストレートすぎる事と、おそらく投稿者は怪談落語路線を狙った物と判断し、思い切って「夜のドナタ」と改題しました。
 改題について、ご理解いただければ幸いです。


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