2008年04月10日 01:15
高校時代の世界史の先生は、生徒に好かれる楽しい教師だった。
授業中にしばしば脱線し、怖い話を聞かせる、まさに教師の鑑。
その日も、教室に入ってきた彼の顔は、新ネタを完成させた漫才師のように輝いていた。
彼は土曜の夜、いつも通り、第三京浜を愛車で走っていた。
いつもと変わらない風景、いつもと変わらない車列。
しかしいつもと違う妙なものが、彼の視界に飛び込んだ。
前方の植え込みの上に、何かが浮いている。
車が近づくにつれ、その姿がはっきりしてきた。
黒いマントをなびかせ、漆黒のラバースーツに身を包み、漆黒のマスクを被ったその姿。
ゴッサムシティの悪にとっての恐怖の象徴。
それが、彼の車と併走するように宙に浮いている。
やがてそれは後方の闇の中へと消えていった。
それから数日後。
彼は再びその姿を目撃した。
場所は第三京浜ではなく、白金トンネル。
その中ほどにさしかかった時、気づくとトンネル上方の隙間を、あいつが飛んでいた。
車がトンネルを抜けると同時に、あいつもトンネルを抜け、闇夜の空に消えていった。
「二度も見るとは……。なんだったんだろうな、あれ?」
先生、こっちが聞きたいです。
(超-1 2008/「バットマン」より)
授業中にしばしば脱線し、怖い話を聞かせる、まさに教師の鑑。
その日も、教室に入ってきた彼の顔は、新ネタを完成させた漫才師のように輝いていた。
彼は土曜の夜、いつも通り、第三京浜を愛車で走っていた。
いつもと変わらない風景、いつもと変わらない車列。
しかしいつもと違う妙なものが、彼の視界に飛び込んだ。
前方の植え込みの上に、何かが浮いている。
車が近づくにつれ、その姿がはっきりしてきた。
黒いマントをなびかせ、漆黒のラバースーツに身を包み、漆黒のマスクを被ったその姿。
ゴッサムシティの悪にとっての恐怖の象徴。
それが、彼の車と併走するように宙に浮いている。
やがてそれは後方の闇の中へと消えていった。
それから数日後。
彼は再びその姿を目撃した。
場所は第三京浜ではなく、白金トンネル。
その中ほどにさしかかった時、気づくとトンネル上方の隙間を、あいつが飛んでいた。
車がトンネルを抜けると同時に、あいつもトンネルを抜け、闇夜の空に消えていった。
「二度も見るとは……。なんだったんだろうな、あれ?」
先生、こっちが聞きたいです。
(超-1 2008/「バットマン」より)




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